OneDriveからの情報流出、ちゃんと対策できていますか?

▶ はじめに

 Windows 11のパソコンを使っている方なら、「OneDrive」を見かけたことがあると思います。実はこのアプリ、最初からインストールされていて、気づかないうちに使い始めていることもあるんです。

 OneDriveは、個人向けのクラウドストレージサービスで、無料プランでも5GBまで保存できます。しかも、ファイルやフォルダを他の人と簡単に共有できる機能も備えています。

 そして、これと似たような仕組みが企業向けにも用意されています。それが**「OneDrive for Business」**です。とても便利なサービスですが、その便利さの裏に、実はちょっとした落とし穴があるかもしれません

▶ 実は怖い?OneDriveでの情報共有

 OneDrive for Businessでは、一人ひとりに専用のクラウド領域(初期で1TB)が用意されていて、その中でファイルを自由に管理できます。
ただ、この領域は基本的にそのユーザー自身が自由に管理できる仕組みになっており、社外の人とも簡単にファイルを共有できてしまうのです。リンクを作成して送るだけで、誰でもアクセスできる設定になっていることもあります。
 普段、USBメモリやメールの添付ファイルによる情報の持ち出しには警戒していても、クラウド経由の共有には意外と盲点があるんですよね。

▶ 心当たりがあれば、まずは対策をチェック!

 「えっ、そんなに簡単に外に出ちゃうの?」と驚いた方もいるかもしれません。 でもご安心ください。OneDrive for Businessには、しっかりと対策機能が備わっています。
たとえば、以下のような設定をしておくと安心です。

✅ 管理者ができる代表的な制御機能

外部との共有を禁止する設定  → 不用意に社外と共有できないようにブロック。
共有リンクの種類を制限する  → 「誰でもアクセス可能」のリンクを無効にすることで、誤共有を防止。

これらの設定は、Microsoft 365管理センターやOneDrive管理センターから簡単に行えます。システム管理者の方は、一度チェックしてみるとよいでしょう。

▶ 仕事で使うなら、適材適所のサービス選びを

 OneDriveは、もともと個人向けのストレージとして設計されています。ちょっとしたファイルの保管には便利ですが、業務での情報共有には、もう少し管理しやすいサービスを選ぶのがおすすめです。
 たとえば、Box や SharePoint Online(SPO) は、組織全体でのファイル管理やアクセス制御に優れており、業務利用に適しています。アクセス権限の細かな設定や共有ログの取得など、運用面でも安心できる仕組みが整っています。
 まずは、自社のクラウド運用の体制やルールを見直してみませんか? 「なんとなく使っていたけど、本当にこれで大丈夫?」という部分に目を向けることが、大きなリスクを防ぐ第一歩になるはずです