Q1ECMの意味はなんですか?
Q2ERM(エンタープライズ・レコードマネジメント)とECMはどう違うのですか?
Q3非構造化データとはなんですか?
Q4ERPとECMの関連について教えてください。
Q5コンテンツとはなんですか?
Q6ECM導入のメリットである5つのCについて詳しく教えてください。
Q7ドキュメント・イメージングとはなんですか?
Q8紙文書を電子化して保管するメリットを教えてください。
Q9文書情報のライフサイクルとはなんですか?
Q10e-Discovery制度とはなんですか?
Q11電子データの証拠能力を高めるにはどのような方法がありますか?
Q12AIIMとJIIMAの関係を教えてください。
Q13電子データを長期間保管するにはどのような点に留意すればよいでしょうか?
Q14マイクロフィルムを電子化して保存するにはどのようにしたらよいでしょうか?
Q15大量の紙文書があります。これを電子化するにはどのようにしたらよいでしょうか?
Q16ECMに関連する標準規格にはどのようなものがありますか?
Q17ECMを推進していくうえで留意しなければならない法規にはどのようなものがありますか?
Q18AIIMとはなんですか?
Q19電子データを長期保存する電子媒体・ストレージシステムを選定する際、どのような点に留意すればよいでしょうか。
ECM (エンタープライズ・コンテンツ・マネジメント)の意味は何ですか?
ECM(Enterprise Content Management)とは、企業(エンタープライズ)の非構造化データ(コンテンツ)を統合的に管理する(マネジメント)ためのフレームワークをいい、2000年に米国AIIMが提唱しました。JIIMAが提唱している「統合文書情報マネジメント」と同義です。
組織で必要な全ての情報資産(コンテンツ)をデジタル化し、簡単に利用・検索ができるようにするために、全ての形式のコンテンツを最も効率的な手段で一元的に管理して必要な時に必要なコンテンツを取り出し、活用できるようにするシステムを文書情報マネジメント・システムといいます。文書情報マネジメント・システムには目的に応じた機能を提供するドキュメント・マネジメント・システムやナレッジ・マネジメント・システム、レコード・マネジメント・システム、Eメール管理システムなどがありますが、組織の部門を越えた情報共有と運用・管理を実現する統合的な文書情報マネジメントの手法がECMです。ECMは、統合文書情報マネジメントであり、一般に複数の文書情報マネジメント・システムの集合体として、人が使う文書情報(非構造化データ)を企業レベルで最適化するためのマネジメント手法を提供します。
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ERM (エンタープライズ・レコードマネジメント) とECM はどう違うのですか?
ECMとは、全社的な情報共有と基幹システムと連携した運用・管理を実現する統合的な文書情報マネジメントで、電子化文書(イメージ文書)や電子文書など、企業の情報資産であるコンテンツのライフサイクルを一元的に管理する機能を提供するフレームワークをいいます。
ERMは、一般的にはエンタープライズ・リスク・マネジメント(Enterprise Risk Management)をさす場合が多いですが、ここでいうERM(エンタープライズ・レコードマネジメント)とはISO15489等で規定されている指針に基づいた記録管理を意味します。その範囲は全社における物理的、電子的な記録が対象となり、ECMと連携することによりコンプライアンス、アカウンタビリティを実現します。
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非構造化データとはなんですか?
情報資産は、構造化データと非構造化データに大別されます。構造化データとはERP、SCM、CRMなどのデータ、メインフレームのレコードなど、RDBで管理されたデータになります。
これに対し、非構造化データとは、PCで作成されたオフィス文書、Eメールなどの通信文、WEBコンテンツ、音楽・写真・映像などのデジタル・コンテンツ、ファックス、イメージングされた紙文書などのデータをいいます。
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ERPとECMとの関連について教えてください
ERPとはEnterprise Resource Planningの略で、経営に必要な企業全体の経営資源を最適に活用するための手法や、企業内の中核的な業務処理を統合管理するアプリケーションソフト(「ERPパッケージ」)のことを言います。昨今、多くの企業では内部統制を推進する目的などから、ERPパッケージの導入・検討を進めていますが、ERPパッケージが出力する帳票(証跡)や、ERPパッケージに入力するトランザクションの根拠となる証憑類の管理も内部統制を実現する上で重要なポイントとなります。ECMソリューションの中には、これらの証跡や証憑類の保管・保存に加えて、ERPパッケージと連携した証跡や証憑類の登録・検索・公開機能を提供するものがあります。
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コンテンツとはなんですか?
コンテンツ(Content)とは、企業・組織で扱う「情報資産」の総称になります。
ECMにおけるコンテンツは、文書(電子文書、紙文書、電子化文書:紙文書からスキャンしたもの)、電子メール、映像データ、画像データ、音声データ、などの「非構造化データ(unstructured data/information)」を対象としています。
一般に、ドキュメント(document)はコンテンツに含まれると考えられます。
また、レコード(record)という言葉も同様の意味で使いますが、これは「記録」という意味で使われ、よりエビデンス(evidence)「証拠」の目的が強まります。
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ECM 導入のメリットである5つのC について詳しく教えてください。
JIIMAでは、ECMのメリットとして、以下の5つの指標を挙げています。
Cost:コストの削減
業務プロセスに要する時間の削減(生産性の向上)
  • 紙文書などの取り扱いに要する時間の削減
  • 業務プロセスと必要な文書が連携し、矛盾や無駄が排除される
全社的なストックスペースの削減
全社的な文書の活用が促進され、部分最適から全社最適へ→TCOの削減
Collaboration:コラボレーション
顧客コンテンツの共有による部門間連携の強化
全社レベルの業務プロセス構築
ERPとの連携
Customer Relationship:顧客サービス
一元化された顧客情報管理
お客様やパートナーへの迅速な応答
個人情報保護の徹底
Compliance:コンプライアンス
業務プロセスの見える化
ルール・ポリシーに基づいた厳格なアクセス管理と履歴管理
業務ルールに遵守したワークフロー
Continuity:事業継続性
一元化された顧客コンテンツの長期保存
コンテンツの多重化保存
シームレスなWebベースシステムによるシステム構築
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ドキュメント・イメージングとはなんですか?
ドキュメント・イメージングとは、紙文書、電子文書、マイクロフィルム(主に紙文書)をイメージデータ(電子化文書)に変換することを意味します。変換時には、ドキュメントスキャナやMFPなどの装置を使ってイメージデータを生成し、利用目的に応じた画像処理を施し各種イメージデータ形式ファイルとして出力します。一般的には、TIFF形式やPDF形式ファイルが多く利用されます。このイメージデータにOCRバーコード認識などの認識処理を施すことにより、活用や保管で必要となるメタ情報を生成し、インデックスとして利用することができます。
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紙文書を電子化して保管するメリットを教えてください
紙文書を電子化するメリット(効果)は次の通りです。

検索性改善インデックスが予め準備されている場合、目的の情報を短時間で探し出すことが容易になります。
情報共有同時に複数の人が遠隔地からでも同じ情報を参照可能となります。
保管コスト削減運送コスト、保管スペース、保管運用コストを削減できます。
可搬性改善大量の情報を持ち運びすることや送信することが容易になります。
紙文書の紛失防止紙文書を持ち運ぶ必要が減り、紙文書の紛失を防止できます。
BCP(事業継続性)対策複製を容易に作成・退避可能となり災害復旧を容易にする効果があります。
存在証明タイムスタンプの付与によりいつから存在したかを客観的に証明できます。

関連質問へのリンク 【Q15】大量の紙文書があります。これを電子化するにはどのようにしたらよいでしょうか?
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文書情報のライフサイクルとはなんですか?
文書情報にも人間と同じくライフサイクルがあります。例外もありますが原則全ての文書情報は発生から伝達、活用等の処理をされ、保管、保存、という流れを経て最終的に必ず廃棄されなければなりません。一般的な文書情報のライフサイクルはこのようになっています。

発生→処理(伝達、活用)→保管→保存→廃棄

一見当たり前の事のようにも見受けられますが、実際文書情報をこのように的確に処理出来ている組織はほとんどないのが現状です。文書のライフサイクルの各工程を的確にマネジメントしていく事を、ドキュメント・マネジメント、又はレコード・マネジメントと呼びます。即ち文書のライフサイクルの概念は文書管理の核と言ってもいいでしょう。
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e-Discovery(電子(的)情報開示)制度とはなんですか?
米国の民事訴訟では、Discovery(証拠開示)制度といって、相手方から要求された書類を開示する義務があり、この情報開示を電子データで行う制度のことをe-Discovery制度と呼んでいます。

2006年12月に米国連邦民事訴訟規則(FRCP:Federal Rules of Civil Procedure)が改正、電子情報開示に関する規定が整備され、eDiscoveryが制度化されました。

具体的には、訴訟の事実審理(Trial)の前に、その準備のため法廷外で当事者互いに訴訟に関連のある電子的に保管された情報(ESI:Electronically Stored Information)を保全、開示する手続きのことを指しています。

電子情報開示の対象となるデータには、すべての電子的に保存された情報であって訴訟の証拠になりうるものが含まれており、たとえば、紙の電子化文書、電子メール、インスタントメッセージ(IM)などのチャット記録、Microsoft Office等で作成されたドキュメントファイル、会計データ、CADやCAMのファイル、ウェブコンテンツなどがあります。

近年は電子データでの開示、すなわちeDiscoveryを求められるケースが増えており、紙の資料が開示されることは稀になりつつあります。また、その費用などは基本的に開示する側の負担となり、米国の訴訟にコストがかかる原因の1つであるといわれています。
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電子データの証明力を高めるにはどのような方法がありますか?
電子メールなどの電子データを裁判の証拠にすることができるかというご質問を受けることがあります。その答は「はい」です。ただし、裁判において裁判官は「自由な心証によってその証拠能力を判断」します。即ち、電子データが証拠として通用するためには証拠として裁判に十分耐えうるものでない限り、現実的には証拠とは見なされないということです。このため、電子データを後に証拠とて用いるためには、「証明力」と言われる証拠能力を高めておくことが必要です。

電子データの証明力を高める方法として有効と言われている方法は、アクセス権を設定する方法やアクセスログを取るなど方法の他、電子署名とタイムスタンプを用いる方法もあります。前者は「誰が電子データを作成したか」を証明します。後者は「いつその電子データが存在したか」を証明します。また、両者とも電子データの改ざんの有無を検出することができます。これらの機能により電子ファイル単体の電子データの証明力を高めることができます。
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AIIMとJIIMAの関係を教えてください。
AIIMJIIMAは共にマイクロフィルムの非営利の普及団体として設立(米AIIMは1948年設立、JIMAは1958年設立)され、文書を画像情報としてマネジメントするドキュメントイメージング、記録管理そしてECM(Enterprise Content Management)の普及・啓発と両協会は、ほぼ同じ歴史と目標をもっています。
現在、両協会はグローバルパートナーの契約関係にあり米国の最新の動向、技術情報の日本国内への紹介やISOなどの技術標準化などでの協力を行っています。特にISOでのドキュメント・マネジメント分野のTC171においてAIIM、JIIMAはそれぞれ米国、日本の公式審議団体です。
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電子データを長期保管するにはどのような点に留意すればよいでしょうか?
留意すべきポイントは、法規の要求事項、採用する媒体システム/ファイル形式の特性、採用するシステムは変化していくこと、電子署名/タイムスタンプの有効期限の4つです。
1.法規の要求事項への対応
文書には保存期間や使用媒体など、その保存要件を法規で定められた法定文書があります。 多くの法定文書は電子での保存に制限がありますので注意が必要です。電子文書に関連する法規には税務関連書類に対する電子帳簿保存法や、全法定文書のスキャニングによる電子化容認方針を示したe文書法とその各種法定文書ごとに具体的要求事項を示す各種省令などがあります。法定文書の電子保存では、これら法規・省令に従った運用方法を計画し、関連省庁から承諾を得ておく必要があります。法定文書以外でも、訴訟などでの証拠提出が予測される文書については、電子文書が有効かどうかのチェックが必要です。
2.媒体システム/ファイル形式の考慮
電子媒体には品質保証の目安としての期待寿命があり、媒体種類によって違います。Q19にある説明のとおり、期待寿命は10年から30年程度ですが、これらは温度、湿度などが最適な保存環境での期待値であり、保存環境などによってはより短い寿命となり得ます。通常、法定文書は1年から10年の保存期間が要求されていますから注意が必要です。 また、書き込み時リードチェック機能や改ざん防止機能、ハードの冗長機能、取り扱い効率化のためのカートリッジ機能利用可否など、媒体種類によって特性が異なりますので、計画している運用要件にあった媒体の選択が必要です。 電子文書の長期保存のためのJIS規格(Z6017)では、改ざんのしにくさ、長期的に仕様が安定していること、詳細仕様が公開されていることなどを考慮して、文書本体の推奨ファイル形式はPDF/AまたはTIFFとなっています。さらに管理台帳(文書管理属性情報一覧)を検索可能なテキストファイル形式で準備することが推奨しています。
国際的にはISO19005-1でPDF/Aが長期電子文書保存ファイル形式として標準化されています。今後は、ハード/OSの制約を受けにくく、データ処理との親和性が高いXML形式も主要な選択肢になっていくものと思われます。
3.採用システムの変化への対応
電子文書には当然ながら、その電子文書を作成するツール、そのツールが稼動するOS環境、そのOSが稼動するハード環境などの影響を受けます。
これらは激しい技術革新や戦略的な製品開発の中にあり、更改やバージョンアップが頻繁に行われますので数年以上経過した電子ファイルを最新のシステムで読めるという保証がありません。 よって、前述のZ6017では1年ごとのリードチェックと数年ごとのマイグレーション(リード/再作成)が推奨されています。
また、各企業の電子文書管理の全社運用で採用するシステムは、その切替をすると膨大な負荷を伴いますので、技術・製品動向や国内外の標準化動向を良く見て、長期的に利用できるシステムを選択する必要があります。
4.電子署名/タイムスタンプの有効期限への対応
改ざんされていないことの保証や法的証拠能力のために、今後、電子署名/タイムスタンプの活用が本格化していくと予想されますが、これらの技術も技術革新の中にあり、セキュリティ強度の維持などのために1年から数年の有効期限が設定されています。
よって、利用者は有効期限前までに、各電子文書の電子署名、タイムスタンプを取り直す必要があります。
このシステム的な手順としては、ECOMが検討した長期保存のための長期署名プロファイルがJIS X 5092,5093としてJIS規格化されています。
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マイクロフィルムを電子化して保存するにはどのようにしたらよいでしょうか?
マイクロフィルムを電子化するには専用のコンバータが必要です。保有マイクロフィルムの形態により使用する機材が異なりかつ高価な機材なため、処理可能業者に依頼して電子化する方法が一般的です。
マイクロフィルムには以下の形態があります。
16㎜ロールフィルム
35mmロールフィルム
フィッシュフィルム
アパーチャ―カード
マイクロフィルムコンバートの流れ

マイクロフィルムコンバートの流れ
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大量の紙文書があります。これを電子化するのにはどうしたらよいでしょうか。
通常、紙文書を電子化する方法で最もよく使用されるのが、スキャナーを使用した電子化です。特に大量に紙文書がある場合は、高速に処理ができるスキャナーを使用した、1拠点での集中的な電子化を行うのが一般的です。

電子化する際に考慮する点は、単なる処理スピードのだけの問題でなく、電子化後の運用を見据えた管理方法をあらかじめ考慮した電子化であるべき点と、電子化処理をいかに効率よく行うのかという点です。

管理方法について
電子化した文章を、検索、参照、業務アプリとの連携などで活用する場合に、電子化した文書を特定するために、通常はキーワードやインデックスを電子化した文書に割り当てます。この管理キーワードに何を割り当てるのかが、電子化後の運用性能に大きく影響します。一般的にシーケンシャルな番号、顧客認識番号、日付などを割り当てます。

電子化した文章は、データに誤りがないか、また規格に従っているか等の検査のため、ベリファイ(verify)と呼ばれる作業を行います。
電子化処理の効率化について
単一の高速スキャナーを使用する場合、性能ランクを落としたスキャナーを複数台同時に使用する場合、またこれらの組み合わせの場合などがあります。

上記のキーワードの割り当てを、電子化処理の後処理で行うこともできますが、大量の電子化の場合には、紙ドキュメントの中から、必要となる情報を自動抽出して、電子化処理の中で割り当ててしまうことも行われています。

このキーワードの自動抽出のために、バーコードや、OCR(Optical Character Recognition、光学文字認識)の技術を使ったシステムが使用されています。

実際のシステムでは、顧客データベースなどとのつきあわせを行うなど、バーコードやOCRの認識性能を高めながら効率を上げる工夫が行われています。

近頃では、コピー機器やプリンター機器にスキャナー機能が付加された複合機や、ネットワーク機能が付加されネットワークに直接接続できるパソコン不要のネットワークスキャナーなど、スキャナー機能が使える機器のバリエーションも増加してきました。これらの機器は、支店や拠点での少量かつ分散的な電子化文書作成に適しています。

これらの機器を前述の大量スキャンと併用することにより、企業やグループ企業における日々の業務の電子化処理を紙の電子化処理を円滑に行うことができます。

以上のように大量の紙文書の電子化には多くの考慮点と作業が発生しますが、これら面倒な作業を代行する専門業者に作業委託するケースも増えてきています。

作業委託に関する具体的なご相談はJIIMA会員の専門サービス業者にお問い合わせください。
専門サービス業者の例(ECMポータルサイト スポンサー)
株式会社ジェイ・アイ・エム
株式会社ジェイエス キューブ
株式会社ニチマイ
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ECM に関連する標準規格にはどのようなものがありますか?
どのようなコンテンツをどのような目的で管理するかに応じて、参考にすべき規格は異なります。以下にいくつか例を挙げます。
【管理プロセスの全体像に関する規格】
ISO15489(JIS X 0902 「情報及びドキュメンテーション-記録管理-」)
記録管理の全体像に関する規格です。
【電子化プロセスに関する規格】
JIS Z6016
紙文書及びマイクロフィルム文書の電子化プロセス
【長期保存に関する規格】
ISO 19005
長期保存に適した電子データのフォーマットとしてPDF/Aを規定しています。
JIS Z6017
電子化文書の長期保存
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ECM を推進していくうえで留意しなければならない法規にはどのようなものがありますか?
対象とするコンテンツの種類によって、それを規制する法律も規制の内容(法定保存義務の有無、その期間、電子データによる保存の可否、その手段など)も異なりますので、留意が必要です。また、コンテンツの管理は、法的義務だけではなく、セキュリティ、内部統制、事業継続、民事訴訟等への対抗措置など、個々の企業のポリシーによって大きく影響を受けるため、社内規程等も考慮する必要があります。
関連する法律のうち代表的なものを例示します。
e-文書法
民間企業において法的保存義務等のある文書について、電子文書での保存等を許容する法律です。
電子帳簿保存法
法人税法等により保存を義務付けられている帳簿・書類について、特例的に電子保存を認める法律です。
金融商品取引法
商法
会社法
製造物責任法(PL法)
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AIIMとはなんですか?
AIIM (http://www.aiim.org/)は、1943年にNational Microfilm Association としてマイクロフィルムの普及啓発のための非営利団体として米国で設立されました。後にAIIM(Association for Information and Image Management)となり文書を画像情報としてマネジメントするドキュメントイメージングの普及啓発活動をおこなっています。
2000年からはECM(Enterprise Content Management)を提唱し、その普及のために機関誌E-DOC Magazine の発行などの市場教育、資格制度、展示会、セミナ、技術標準化などの活動を行っています。
近年のAIIMの技術標準化の一例は、PDF技術仕様の標準化です。Adobe Systems社は、ISOのドキュメント・マネジメント分野TC171の米国の審議団体であるAIIMにPDF 1.7の全仕様を譲渡しました。その結果、ISO TC171委員会の国際会議でPDFの審議が行なわれ、PDFは2008年7月にISO32000として認定されました。
尚、2008年よりAIIMは Find, Control and Optimize Your Informationというメッセージを発信しています。
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電子データを長期保存する電子媒体・ストレージシステムを選定する際、どのような点に留意すればよいでしょうか。
長期保存には一般的に、CD・DVDなどの光ディスク、DAT・LTOなどの磁気テープ、 HDD(ハードディスク)を組み込んだRAIDなどのストレージシステムなどがあります。
 それぞれの電子媒体・ストレージシステムで、アクセス速度・転送速度・価格などが異なるため用途に応じて、いずれか一つまたは組合せて利用します。
この際の電子媒体/ストレージシステムの保存品質の目安として期待寿命の確認が有効です。
期待寿命とは一度書き込んだデータがどのくらいの期間読み出せるかという推定値で、温度・湿度などの環境条件を通常使用環境より厳しくしたテストを行い推定します。
各電子媒体やストレージシステム毎の期待寿命について以下に解説します。
(1)CD、DVD
DVDを例にとっても、その規格はDVD-RAM,DVD-R,DVD-RWなど多岐に渡ります。期待寿命は同一の規格であっても製造メーカによって大きく異なりますし、同一メーカ・同一規格であっても型名により異なりますので、購入に際して、メーカへの確認を推奨します。
 実測例としては、デジタルコンテンツ協会の報告 http://www.dcaj.org/optstudy/study.html 「長期保存のための光ディスク媒体の開発に関するフィージビリティスタディ報告書(要旨)」をご参照ください。少なくとも10年以上の期待寿命を媒体購入の目安とする必要があるでしょう。
DVDについては、2008年1月に、30年保存を目指したDVD媒体の媒体寿命推定試験法が、ISO/IEC 10995として成立し、これを遵守している媒体へのラベル表示も検討されています。
CD・DVDを使った媒体の長期保存の運用方法としては、JIS Z 6017 「電子化文書の長期保存方法」 付属書2(規定)主なCD・DVDディスクによる電子化文書の長期保存方法を参考にしてください。
(2)磁気テープ
磁気テープについては、社団法人 電子情報技術産業協会 JEITA 磁気記録媒体標準化専門委員会 講演資料http://home.jeita.or.jp/is/committee/tech-std/std/archaive.html 2008年1月第2章 媒体寿命に関する活動状況報告 が参考になります。 JEITAでは長期保存用テープとして、LTO3を推奨し、システム的な運用も加味し、推奨保存期間を10年としています。
CD・DVD、磁気テープとも共通的に媒体だけではなく、読み取り装置の供給体制の考慮が必要であり、媒体の期待寿命を超えるか、読取装置の生産が終了した場合には、必要に応じ、媒体間のデータ移行を行うことが必要です。
(3)RAIDストレージシステム
RAIDストレージに搭載されているHDDの装置寿命はメーカにより異なるが概ね2年~5年です。RAID構成を取っているので、HDD故障が直ぐに、データ読み出し不可にはつながりませんが、HDDを搭載しているRAID筐体、コントロール基板を考慮すると5年を超えると装置寿命になるので、その時点で、格納データを新RAIDシステムに移行する必要があります。
最近では、長期保存を目的としたアーカイブ用RAIDストレージシステムも販売されており、 このような装置を利用すると保存期間管理に加え、データ移行が簡単に実施できる仕掛けが準備されており運用管理の手間が軽減されます。
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